6.22,2019 Remember me (not)
人は忘れる生き物だ。
ごたぶんにもれず、
僕も忘れる生き物だ。
なんとなしに、
意味深長な言葉を書き連ねたはいいが、
伝えたかったことは何なのか、
どうやら僕は忘れてしまったらしい。
困った。
もっと適した枕詞があったように思うが、
ついさっきのことなのに忘れてしまった。
ふと思ったことがあり、
書き始めた途端に、
ふと忘れてしまった。
ま、
いっか。
別段大それたことを書こうと思ったわけでもないし。
そういえばこのブログのプロフィールに書き加える為に、
自分の公演履歴を過去から順に追ってみようと思いエゴサしてみたのだが、
これにも困った。
ウェブ上に既に記載されている作品はいいとして、
そうではない作品に関しては僕自身だいぶ忘れてしまっている。
いったい僕は何という作品に出演して何を演じていたのやら…
忘れてしまっているだろう大抵の作品は、
人ではない何かなのだろうが…。
最近の作品は、
勿論、
忘れずに覚えているものもあるが、
たとえば五年やそれ以上前の作品になるともうおぼろげもいいところだ。
と書いたところで今、
降りる駅を乗り過ごしてしまった。
うっかり降りるのを忘れてしまった。
人は忘れる生き物だ。
…次の駅で折り返そう。
───今月初頭、
マサミから電話があり、
「クラシックスのバスツアーで流す音源を収録したいから協力して」
と某所まで足を運んだ。
どうやらバスツアーの移動中、
参加者のみんなにラジオのように聴いてもらう音源を録るんだと。
内容は学生時代にあったお互いの暴露話。
収録中、
よくもまあ、
そんな他愛もないことを忘れずに覚えていられたもんだと、
互いのしょうもない暴露話を次から次へと事細かに出しあった。
「よくそんな覚えていられますね」
と舞原が感心したように言った。
まったくだ。
何故だろう?
少し考えてみた。
いや、
違う。
忘れずに覚えていられたわけではない。
それらはさっきまで確かに僕の中で忘れられていたことだ。
話していくうちに思い出していったのだ。
話していくうちに、
言葉が記憶を想起させて、
堰を切ったようにそのときの映像が溢れたのだ。
忘れる。
思い出す。
繰り返す。
忘れずにいる。
思い出さずにいる。
繰り返す。
忘れたいのに忘れられずにいる。
思い出したいのに思い出せずにいる。
繰り返す。
役の中の人としている僕は、
作品をみにきてくれたみんなには、
作品のことを、
その中で生きている役のことを、
忘れてほしくないなあと思うのだが、
まあ、
忘れるわなあ。
人は忘れる生き物だ。
ごたぶんにもれず、
僕も忘れる生き物だ。
あなたも、
たぶん、
忘れる生き物だ。
だから、
いつかはわからないが、
どこかで、
ふとしたときに、
思い出したそこに、
欠片程度でいいんだが、
いてくれたなら、
あってくれたなら、
うれしいなあ。
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